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2007年2月掲載

神奈川県の借金は?

提言44 ~夕張市破綻に思う~ 前相模原市議会議員
本間 俊三

 2007年もはや一ヶ月。「今年こそ」とはじめた家計簿。まだしっかり付けていますか?
 お年玉をたくさんもらった子どもたち。彼らの家計簿は、出納帳で“出”と“入り”をきちんと付ければそれで十分である。しかし、不動産や株などの資産が増え、借り入れが出来ると出納帳では財務状況を正確に把握できなくなる。
 家計簿は、現金主義の単式簿記であり、資産や借り入れなどの発生を加味する方式は複式簿記と言い、企業が採用している。
 昨年破綻した夕張市も、家計簿に似た現金主義を採用していた。もちろん全国の自治体は、明治以来例外なく現金主義である。

破綻すると…
 夕張市の財政破綻は、市民だけでなく、全国民にとってショッキングであった。と同時に、破綻するとどうなるかを教えてくれた。市民の負担は大幅に増え、逆に学校や福祉施設、多くの公共施設は閉鎖され、住民サービスは急激に低下した。
 破綻する前に、予知できなかったのか? 誰でも思う疑問である。子供のお年玉を記帳するような現金主義の単式簿記では、財政の逼迫度は伝わってこないし、財政の透明度は出てこないといわれている。財政の逼迫度がガラス張りになる企業会計を自治体会計に導入しようとの動きが今、根強くある。

夕張市が教えてくれた
 自分の住む市や町の窮状を早めに知ることこそ重要なのであって、突然「破綻ですと」いわれて責任を持てる人がいるだろうか。
 だから自分の自治体や国の借金に、もっと目を向けよう。その借金は他でもない、“あなたの借金”であることを夕張市は教えてくれたはずだ。
 神奈川県の借金はこの4年間で5,300億円に増え、累計2兆9,000億円に迫るほどとなった。


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