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2005年12月掲載 災害弱者の悩み
提言31 ~大丈夫?あなたの災害対策~ 元相模原市議会議員
本間 俊三

 11月23日、『災害弱者の対策を考える』と題して、あじさい会館でシンポジュームが行われた。中越地震の体験を元に新潟県肢体不自由児父母の会連合会・十日町支部会会長阿部喜一氏が40分講演した。

中越地震を体験して
 阿部会長は自らの体験から、地震発生直後の混乱状況を生々しく語ってくれた。
 本震の時は立っていられなく、信じられないかもしれないが、子どもがころころと転がったと言う。このような状況の中で、障害者あるいは高齢者などの災害弱者と言われる方の状況がどのようであったかが語られた。

誰に助けてもらったか
 阪神や中越で地震発生直後、誰に救助してもらったかを調べたころ、8割を超える人が“隣近所の人”というデータがある。家具や家屋などの下敷きで動けない人、落下物で怪我した人、また倒壊した家屋から出られなくなった人まで近隣住人が救出したのだ。

良い近所づきあい
 阿部氏も体験からこう結んだ。障害者などの災害弱者は勿論、健常者も日頃から近隣・町内会などの範囲の方々と「良い関係を保つことが大事」であると。
 特に発生直後は消防も警察も自衛隊も当てには出来ない。自分で守るか、近隣を頼るしかないと断言した。

手をさしのべる人はきっといる
 災害弱者の方々は、その自分たちの情報を自治会や近隣に提供してそのときに備えたいと願っている人も多い。しかし現実には進んでいない。近隣市民の理解不足や情報が知られた場合の差別や偏見が怖い。リスクを乗り越え災害弱者であることを表明したとき、手をさしのべる人はきっといる。
 私は、そう信じている。


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