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2005年1月掲載 阪神大震災から10年
提言20 ~震災に負けない「顔の見える関係」づくり~ 元相模原市議会議員
本間 俊三

神戸からの発信行脚
 12月18日、海老名市中央公民館において、タイトルをテーマにした発表会があった。それは「神戸からの発信」として、震災時の経験や教訓、復興や地域の取り組みなどについて、神戸市民が語り部となって全国を行脚するものである。 その手始めが神奈川であり、来年5月までメンバー40人が全国50都市を回り、震災で受けた支援に感謝しながら、体験を語り伝えて行くそうだ。  
顔の見える関係づくり
 12月10日から3日間、新潟中越地震支援ボランティアとして川口町に入った。多くの若者が参加し、次のような感想を述べていた。倒壊家屋の片づけ中、生活の痕跡を見つけ、「切ない気持ちになった」。間もなくやってくる冬の準備を追われる様にやっていた「農家の手伝いが出来てよかった」。また避難所で子供の世話をした人は、「子供の笑顔が大人の笑顔に繋がる」と感じたとか、救援物資係のボランティアは「お年寄りの遠慮深いのに驚いた」等々。
 ボランティアは足りているとも不足しているとも言われている。それは、ニーズが時間とともに変わることや地元民の遠慮が原因しているかも知れない。村人はこれまで「親戚知人顔見知り同士」で助け合って暮らしてきたし、助け合わなければ生きてゆけない社会でもあった。
 だから、震災直後の救援活動が機能的に行われ、災害弱者と言われる人達の被害を最小限に抑えることが出来たと言われる。  「顔の見える関係」が災害に強いと言われて10年、奇しくも「神戸からの発信」は、新潟中越地震で改めて証明されることとなった。

【阪神大地震直後の様子】
【災害の経験を語る神戸市民】
【真剣に聞き入る神奈川県民】

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