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2003年6月掲載 懸念される「首都圏大停電」
提言1 ~安定した電力エネルギー供給の確保とは~ 元相模原市議会議員
本間 俊三
皆さんは最近、テレビ・新聞・ポスターなどで「節電」の広告が目立つと思いませんか。このままの状態で夏を迎えた場合、「首都圏大停電」という大変な事態の発生が危惧されております。
 昨年、電力会社の不祥事により、16基の原子力発電所の運転が停止し、点検や修理、部品の交換等が進められております。稼動を停止しているプラントの発電能力の合計は1700万キロワットに及び、他で手当てしたとしても不足する電力は、猛暑であれば500万キロワット以上に及ぶと見込まれております。
 電気のエネルギーはその特性から、消費と発電が同時で常に消費以上の発電能力を準備しなければならず、供給能力以上の需要(消費)が発牛した場合、停電等の重大事態に発展します。
 2年前にカリフォルニアで大停電事故が発生したことは記憶に新しいと思います。首都圏における停電事故は、首都機能の麻痺と莫大な国民の経済損失を招きます。このような事態は決して起こしてはならないことです。
 現在稼動を停止している原子力プラントでは点検と整備が進み、問題となった安全上の技術的不安要素が解決したものや、整備完了間近のプラントが8~10基あると言われております。
 今後の課題は、プラントの立地市町村の稼動再開に向けた理解です。
 先日の報道によれば「プラントの安全宣言」を国が行う方針とのこと。「安全について国が責任を持つ」ことから、地元自治体も運転再開を容認する姿勢に傾き、電力不足の危機は回避される方向で作業が進められております。
 市民生活にとって欠かすことのできない電力エネルギーの安定した供給の確保について、今議論を深めるときと考えています。
【時刻別の電源構成】
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