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2006年8月掲載 異常気象が教えてくれる
提言39 ~地球の逆襲~ 元相模原市議会議員
本間 俊三
 ここ数年梅雨明け時期になると、決まって洪水や土砂崩れによる大規模災害が報じられる。この時期の大雨は通常の気象事象なのだが、最近の降雨量はちょっと違う。「観測史上最大」や、「ここ数年で最も土砂崩れの危険性が高まった」などとも言われる。
 降水量が異常に多く、梅雨明けが遅れているのは、偏西風の蛇行や湿度の高いアジアモンスーンに起因していることは知られている。それにしても九州地方や長野県に降った雨が1,200ミリとは異常である。このような異常気象が、日本だけでなく韓国や中国でも発生し、逆にヨーロッパでは異常高温や熱波で大きな被害が出ているという。

地球への負担
 九州地方や長野県における被害、山崩れや決壊しつつある河川の映像を見ていると、いよいよ“地球が逆襲してきたか”との錯覚さえ覚える。「逆襲」とは攻撃されていた側が一転して反撃に出る事を言い、こう考えるのは早とちりであろうか。
 億年単位の地球の歴史に対して、地球温暖化や異常気象が取りざたされてからの時間はあまりにも短い。しかし、近年地球上のあらゆるところで発生している異常気象による災害を見ていると、逆襲と言っても決して大げさでないような気がする。近代になって人類は地球にあまりにも大きな負担をかけているからだ。

捨てられて蓄積する熱
 人類が消費するエネルギーは、最後には熱となって捨てられ、大気や地表・海水の温度を上げてゆく。温度上昇は、気象に影響を与える事で持っているエネルギーを発散させバランスをとる。これが異常気象である。これまでは宇宙に放熱され一定の温度を保ってきたが、近年増加した温室効果ガスによって放熱バランスが崩れ、地球表面温度の上昇を招いた。これは地球にとって大きな負担である。
 いよいよ地球が反撃に出始めた。異常気象はそのシグナルかも知れない。

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