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2006年6月掲載 ブレーキが利かない
提言37 ~後を絶たない凶悪犯罪~ 元相模原市議会議員
本間 俊三

やるせない気持ち
 最近マスコミ報道に接するたび、切なくやるせない気持ちになる。
 学校帰りお母さんの待つ自宅を目の前にして、帰らぬ人となった豪憲くん。幼い子どもや児童が様々な形で犯罪の被害者となっているからだ。

ふつうの市民
 遡れば、同級生が友達の首をカッターナイフで切って殺した事件。広島ではペルー国籍の日系3世青年が、学校帰りの少女をアパートに誘って殺し死体を段ボール箱に入れ放置した事件。今年になって小学生がマンション15階から投げ落とされた事件。先月は平塚で5人の死体がアパートから発見され、そのうち3人は幼い子どもであった。容疑者について一様に言うことは、「まさかあの人が」である。昨日まではふざけあって一緒に遊んでいた同級生、外国から働きに来て同僚や友達もいる労働者、営業職をしていたサラリーマン、そして主婦…。犯人を知る人は一様に普通の人と言う。
 災害においては防災対策が、特に治山・治水・補強でそのときに備えることが出来る。病気は予防医療が進歩し、検診や検査によって殆どの病気は早期発見で治っている。しかし、事件や犯罪だけはそのように出来ない。今国会で議論されている「共謀罪」の導入は特別な場合である。

心を育てる教育
 考えなければならないのは、普通の人が突然凶行に走り事件を起こすこと。ペルーの青年は「悪魔が自分に入ってきた」と言いブレーキが利かなくなった言い訳をしている。起こってからでは遅いのだ。悪魔をはねのける心と犯罪抑止の心を育てる教育こそ急務でないだろうか。


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