個人情報保護法がこの4月より施行され4ヶ月が経過した。この間に様々な問題点、落とし穴が見えてきた。
この法は、個人の権利や利益の保護を目的に、大量の情報を保有する自治体や企業・団体に対し、情報の管理や取扱について義務や責務を定めたものである。基本理念は個人の人格尊重であり、基本理念に基づいた個人情報の取扱が求められている。
情報の悪用
このことにより、大量の個人情報を保有する企業は勿論、我々の日常生活に身近な市役所や関連団体も、情報の取扱には極端ともいえるほど神経質になった。この風潮は、保護法の適用されない団体や自治会なども影響を受け見習うようになった。情報の無用の流出は人格尊重の意味からも決して良いことではないが、この時代に流出が大きな問題になっているのは、「個人情報が悪用されている」からではないだろうか?
未だ減る気配のない悪徳商法、特に今年に入って発覚したお年寄りを狙った卑怯な『住宅リフォーム詐欺』。あるいは強盗などの様々な事件。これらの犯罪や事件の多くに、不正に入手された個人情報が使われていると思われる。
国民は、このように自分の情報が詐欺や犯罪に使われることを最も恐れている。にもかかわらず、この度の法は流出・取扱にのみ配慮し、流出後の情報の使われ方には触れていない。つまり我々国民の不安に応えていないのである。
被害者は市民
不正に取得された個人情報は、裏で取り引きされ悪徳商法や犯罪等に使われ、市民が被害者となる。この多額の金が動く裏取引などにも触れていない。
国民市民の連携に水を差し、個人情報の悪用による社会不安解消に寄与しないこの度の個人情報保護法に疑問を呈すものである。
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