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2003年10月掲載 犯罪の増加と検挙率の低下
提言5 ~20年前日本は世界一の治安が誇りだった~ 元相模原市議会議員
本間 俊三
■犯罪白書
 昨年の犯罪白書によると、凶悪犯罪の急増ばかりか、強盗や傷害・暴行・強制わいせつなどの9つの罪種でもこの5年間で2・6倍と著しい増加となっている。我が国の治安の悪化はいよいよ来るべきところまできたとの感が強い。

■検挙率の低下(グラフ参照)
 この1年の一般刑法犯の検挙率が19・8%に低落し戦後初めて2割を切った。検挙率は80年代に60%台、90年代は40%台で推移してきた。ところがここ数年急激に低下し、刑法犯の5人に4人が逮捕されずに逃亡している事態は、恐るべき事態である。

■警察白書による犯罪増の要因
 白書では「社会規範意識の希薄化」「社会の連帯機能喪失」「家庭学校の教育機能の低下」この3点を犯罪急増の背景としてあげている。

■社会・家庭の規範意識の向上
 80年代米国は犯罪急増の要因を家庭崩壊による「規範意識の低下」によるとの見解から国を挙げての「家庭再建」に取り組み、米国社会の治安を回復させたばかりか、経済復興の原動力になったという。我が国もこうした視点の検討が求められる。

■緊急課題としての検挙率向上
 刑法犯の5人に4人が逮捕されずに逃亡している現状が、新たな犯罪の誘発要因となることを危惧する。そこで犯罪抑止力としての検挙率向上こそ緊急の重要課題であると考えます。
【犯罪件数と検挙率の推移】
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