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2003年8月掲載 原子力発電論議の視点
提言3 ~ニューヨークの大停電事故を教訓に~ 元相模原市議会議員
本間 俊三
●火力発電所の再稼動
 この夏、原子力発電所の稼動停止により、それまで休止していた火力発電所が再び稼動することになった。石炭・石油を燃料とする火力発電所の再稼動により、大量の二酸化炭素が排出される事態となった。このことが今大きな問題となっている。

●なぜ二酸化炭素
 地球温暖化の原因の3分の2は、二酸化炭素によって起こるとされている。温室効果ガスは他にもあって100種類以上にも及ぶが、主原因である二酸化炭素の排出削減こそが地球温暖化防止の最重要課題である。

●地球温暖化によって
 今年は世界各地で干ばつ・豪雨・竜巻・熱波といった異常気象が多発している。

●世界の異常気象例
 中国湖北省では、今月に人ってから平均の約5倍の降水量を記録。多雨で洪水が発生したスリランカでは300人以上の死者。逆にトルコでは降雨量が通常の10分の1。スイスでは6月の平均気温が観測史上最高を記録し、氷河が融け出し下流に大きな被害を出している。またインドでは熱波で気温が50度近くまで上昇し1500人が死亡。アメリカの竜巻も耳に新しい。
 世界各地の異常気象の主原因は地球温暖化によるものと考えられ、このまま温暖化が進むことに国連の世界気象機関WMOが危機感を抱いている。

●二酸化炭素を発生しない原子力発電
 原子力発電は従来、安全性の観点から議論されてきた。それが今夏は電力の安定供給から注目をあびた。
 今後重要なことは、地球温暖化防止、つまり二酸化炭素排出削減の観点から議論されるべきだろう。

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